お施主様は新しいことが大好きな方で、スライディングウォールの新しい形をご自宅で実験的に試したいというご要望でした。
個人宅では初めて2ヵ所納めさせていただく事になり、また、わが社が現在力を入れている連続折戸も採用してくださいました。
スライディングウォールの新しい動き方、機能の仕方を考え直す良い機会になり、社員一同とても思い入れのある物件になりました。

まずはじめに和室〜リビング堺に収納戸袋付きのスライディングウォールを設置しました。
一般的に最後の一枚はドアや吊戸で納めるのですが、今回は戸袋に子ドアを付けてパネルを隠し外観をすっきりさせました。
引戸ではよくあるこの戸袋隠しですが、レールが1本しかないスライディングウォールでチャレンジするのは初めて。
子ドアの軌道に最後のパネルが干渉しないように、折戸を提案させていただきました。
収納後の納まりの良さをとても喜んでもらえましたが、下レールの無い折戸のふらつきは改良の余地があると感じました。

建具仕様

施設名 Y邸
商品名 スライディングウォール
施設分類 住宅
所在地 富山県小矢部市
素材 ポリ合板
寸法 W3,479×H2,470×D42 1ヵ所

 

 

リビングの窓際には大きなガラス戸のスライディングウォールを納めました。
外部に面しており、陽当りもよい場所なので建具のソリや雨風の劣化を防ぐ手立てが必要です。
まずソリを発生させにくくするために、見込みをく65と厚くしました。
防犯の観点から硝子も厚くしますから、このくらいの厚みが必要でした。
また、開口いっぱい光を取り込みたいので、開口より背の高い建具とし、気密性を高めるためにモヘヤやピンチブロックを多用しました。
躯体との取り合い 桟の掛け合わせなど隙間がないように工夫しました。


年月を重ねるたびにどのように変化していくか、未知な点も多く苦心しましたが今後のお付き合いの中でしっかり対応させていただきたいと思います。

建具仕様

商品名 スライディングウォール
素材 タモ材+ペアガラス
寸法 W4,322×H2,685×D65 1ヵ所

 

 

最後は子供部屋堺の連続折戸です。一般的な折戸との違いは、折戸1枚が中心で吊られており一繋ぎになっている点です。
建具を溜める場所が決まってしまいますが、軽量で片手でも開け閉めが出来、下レールが必要ないので、例えば子供部屋として使わなくなった場合にも床材をリフォームせずに済みます。今後注目を集める新しい建具の形です。
今回は防音性を高めるためにグラスウールや遮音シートを入れましたが、女性でも簡単に動かせる程軽く動かすことができました。
難点は吊元側金具を付けるために、欠きこみが大きいことでしょうか。


隙間をできるだけ小さくすることが今後の課題となりそうです。

建具仕様

商品名 スライディングウォール
素材 ポリ合板
寸法 W2,555×H2,390×D36 1ヵ所